中小企業エレキ技術者のブログ

産業用途向けカメラメーカーのエレキ技術者が綴る日常。ソフト(ScoutChcker)も作ってます!

特許

先日、特許について記事を書いた。

ぼくは、大学の頃からモノ作りが好きだったので

何か発明して、特許取ってウハウハなんて

甘い考えで特許についても

いろいろ調べていた。

しかし、特許はそんな甘いものでは無く

特許は当てに出来ないと思っていた。

しかし、毎日見に来てくださる

亀山さんという弁理士さん(千葉県鎌ケ谷市在住の弁理士)から貴重な意見を貰った。

中身はもっともな意見で。

中小企業のレベルで考えた場合は

あまり軽くみない方が賢明のようです。

その後も、特許について

いろいろ考えてみたのですが

現状、いろいろ手一杯で

深くまで思考が及ばず。

現状は

コメントの引用という形で紹介させてください。

まず先日の記事がこれ

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前居た素材メーカーの話

素材の業種がまた面白い。

実は、身の回りに使われている

ケイ素、アルミニム系の素材は

ほとんど理論的裏付けが

追い付いていない。

こういう配合で、こういう条件で製造した素材で

こういう物性が出た。

じゃ、理論的にどうしてそうなのか

この辺が分かってない素材も多いんです。

ってか、ぼくが居たその業種では

ほとんどがそうでした。

これって、どういう意味かというと

業界に衝撃を与える素材が一度作れたら

その配合も製造条件も社外秘にしておけば。

これから数十年誰にも真似されず

業界で優位性が保てるってことなんです。

特許なんて絶対取りませんよね。

以前聞いたことがありますが

特許とは発明者の権利を守るものではなく

発明を世に出し、社会の発展に寄与させるためのもの

なので、権利が守られる期間も決まっているし

そもそも、あれって真似されたと思っても

それを証明する義務は権利者側にあるとか。

向こうの製造工程って見れるのかなあ。

確たる証拠が無いと多分無理だよね。

そもそも、向こうにとってみても

社外秘の塊の製造工程を見せるなんて

裁判所レベルで関与して来ないと公開しないでしょ。

権利者が証明するのって無理じゃないかと。

この辺、詳しい方が居たら教えて欲しいですが。

まあ、普通に考えたら特許なんて

よっぽど力を持った会社じゃない限り

あまり役に立たないと思うんですよね。

例えば、個人で持ってても

弁理士、弁護士費用が払えないと

権利も行使出来ないでしょ。

要は素材系業種では

特許なんて取らず、

黙って金にすることを考える。

これがデフォルトだったんですね。

思うんですよね。

特許っていつも微妙なモノだなと。

取ったとしてもきちんと権利を守ってくれるわけでもなく

金にする見込みが無ければただ金を食うだけ。

そして、いくら素晴らしい発明だったとしても

それを金にするのって別の難しさがある。

確かに、最初に発明した人がいるから

それがあるのは当たり前ですが

その過程に表に出ない発明やアイデアがあるから

出てきてることも多い。

発明した人が本当に偉いとなるのは

発明したものを莫大な金にするまで頑張った場合のみ

なのではないかと。

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そして

亀山さんの意見。

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大きなポイントとしては、以下のように把握しました。

1)秘密にしておけば、特許不要

2)権利行使なんて想定できない(お金がかかるから)

大雑把ですが 以下の通り回答します。

1)その通りです。

 ただし、リスクとしては、以下があります。これらの大きさをどう評価しますか?

 a・秘密維持の困難さ

 b・ライバル社の到達による脅威

 aとして主なものは、リバースエンジニアリング(製品の分析、分解)と、情報漏えいです。情報漏えいとしては、アライアンス先・身内からソースになる場合もあります。

 記事の内容からアライアンス先は、なさそうかな?とは思いましたが、一般論として書きました。

 身内としては、退社があります。最近では、在職者の技術漏洩問題がニュースになりましたね。

 bとしては、ライバル社が、正当な開発で、同じ技術やその応用技術に到達したとき、ライバル社の行為を規制できません。そうすると、差別化が維持できるでしょうか?ここは、先行者有利の利益をどこまで確保できるか?に関わると思います。

 さらに、ライバル社が、応用技術について特許をとってきた場合、自社は、その応用技術を使うことができなくなります。基本技術の特許をとっていれば、ライバル社に応用技術の特許をとられたとしても、基本技術の特許が生きている間(最長、出願から20年)は、ライバル社も応用技術を利用できません(基本技術の特許権侵害だからです)。

 私がライバル社の立場であれば、基本技術(未特許技術)の周辺にある技術(近い将来使いそうな技術)を特許で抑え、基本技術を事実上利用できないような環境を構築しようとします(そういう相談も増えてきています)。お金がかかる話なので、どこまでやるかの問題は残りますが、少なくとも、基本技術を使いにくくするように邪魔な特許出願をだします。第1段階としては、権利化ではなく、出願でOKとします。詳細は2で述べます。

  bは、業界(製品、技術の寿命等)・ライバル社の資本力・開発力・TOPを取りたい意欲をどう評価するかよって変わると思いますが、基本的な考え方は上の通りです。

2) その通りです。

 が、丸腰のままで進むのか?権利行使の余地を残して進むのかの違いは大きいと思います。権利行使の余地を残して進むというのは、現時点で、「特許権侵害を問えるかわからないが、取り締まりたい相手用の権利を作れるようにしておく」というものです。けん制力です。

 「特定の相手であればしとめられそうな弾が入っている拳銃を護身用として持参する」という感じです。

 実際に、しとめられそうな弾と、射程範囲に関しては、出願前の技術調査を通して、本人はある程度の把握ができるはずです。

 なので、上手に活用すれば、権利行使前の交渉力UPとして使えると思います。

 

 中小企業様であれば、権利行使よりも、自社が中抜きされないような「交渉力UPツール」として利用することも1つの活用方法と思います。

 結論として、特許は、業界における立場、ライバル社との関係、取引先との交渉力に大きく関わるので、そこを弱みと思っている企業であれば優先度は上がりますし、そう思っていなければ、優先度は下がります。このように、特許取得に関して、一概に必要、不要は言えませんが、特許の検討を無視するのは少々キケンかなと思いました。

以上です。

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亀山さんは

中小企業が特許をどう活かすべきか

常々考えられてるとのこと。

将来、ぼくもそういう立場に立ったら

是非亀山さん(千葉県鎌ケ谷市在住の弁理士)に相談しようと思いました。

質問や疑問、気になることがありましたら

sugaular@gmail.comにメールください。

全力でお答えします!

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