中小企業エレキ技術者のブログ

産業用途向けカメラメーカーのエレキ技術者が綴る日常。ソフト(ScoutChcker)も作ってます!

研究室

ぼくが入った研究室は

まだ出来たてホヤホヤの研究室だった。

ぼくらが4期生。

出来て4年目である。

そこの教授が面白い人で

元々は触媒の実験で第一人者とまで

言われていたのに。

ある時、これからは計算化学だと言い出し

周囲の反対を押し切って

スタートさせたもの。

一期生からは

研究室にあった、実験器具を全て捨て

掃除することから始まった話を聞かされた。

その頃はワークステーションと呼ばれていた

家庭用パソコンより何倍か速いコンピュータを

何台か置いただけの研究室。

化学部においてチョー異質な研究室であったのは

間違いない。

ぼくは、そんな研究室の4年目に学部生として

入ったのである。

その頃は、計算化学は遊びと影で言われ

うちの教授はいつも、同期の教授に

そんなことやってないでさっさと実験に戻れと心配され、

一時の気の迷い程度の扱いを受けていた。

もっと正確に言うと

物理に近い原理を解明するための理論を研究する

そういう分野では、計算は市民権を得ていたが

ここの研究室は、

計算化学を実社会に応用する研究だったので

理論が伴ってたわけでも無くそういう扱いだった。

でも、ぼくはこの研究室が大好きだった。

そこに居た先輩たちは

毎日遅くまでシミュレーションをし

プログラムを考え研究に没頭していた。

周りのそういう白い目が

余計に彼らをそうさせていることが

入ってまもなく分かった。

そう、市民権を得ていない学問に学部、院

それなりの期間を投入してしまう。

このまま頑張らなければ

本当に遊んでいたと言われてしまう。

みんな真剣でよく議論が白熱して

喧嘩になっていたし

休憩室で話される内容はと言えば

学生だけで内緒で作ろうとしている

プログラムの理論についてとか

シミュレーションの結果がどうだったとか

その脇には徹夜明けで寝袋で寝てる奴とか。

ぼくとか

難易度の高いことには参加できないから

そのプログラムの名前考えますよ。

タイトバインディング理論なら

KIKKO(亀甲)なんていんじゃないすか?

とか言って面白がってたのを覚えいている。

後から同期に聞くと

ギスギスした研究室だったと言われて

ぼくは意外だった。

あんなにも自分の研究に真剣に取り組み

喧嘩になるほど熱い思いをぶつけあい

研究に没頭する学生の場に居合わせたことが

ぼくには最高の幸せだった。

時はバブルが弾けたばかりで

まだバブルの余韻が残る時代。

世の大学生は勉強なんてしてなかったですよね。

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